信用保証協会について(事務所通信「FinanceNews2022年7月号」より)

 今回のテーマは「信用保証協会」についてです。 そもそも信用保証協会とは、中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関であり、事業を営んでいる方々が金融機関から事業資金を調達する際に、信用保証協会が「信用保証」を通じて、資金調達をサポートしてくれます。
 あくまでも中小企業・小規模事業者向けですので、資本金と従業員数をもって利用者が制限されており、保証限度額も原則無担保で8,000万円、担保有でも合計で2億8000万円となっております。

【信用保証協会を利用するメリット・デメリット】

~メリット~

・信用保証協会では様々な保証制度があり、用途に合わせて利用できる

・取引金融機関のプロパー融資と信用保証協会の保証付融資の併用で融資枠の拡大も図ることができる

 実情として、小規模事業者などが初めて金融機関に融資の依頼をした場合に、最初からプロパー融資では貸してくれないということが多いです。最初は信用保証協会の保証付融資を受けて、返済実績を作って、金融機関との信頼関係を作ってからでないとプロパー融資を受けられないということがあります。中小企業・小規模事業者の融資の入り口としても、信用保証協会が利用される場合が多いです。

~デメリット~

・信用保証料がかかる

・プロパー融資に比べて提出する申込書類が多く、手続きも煩雑で審査期間も長くなる

 信用保証協会の保証付融資の一番のデメリットが、信用保証料がかかることです。信用保証料率については保証制度の種類や会社ごとの財務内容・業績等によって違います。

【信用保証協会の様々な保証制度】

 信用保証協会の中でも様々な保証制度があります。それぞれ信用保証協会のホームページにも細かく記載されてますが、ここではその中の一例を紹介させていただきます。

・東京都信用保証協会 東京都制度 小規模事業融資(小口)

→東京都信用保証協会と東京都と取扱金融機関の3者が協調して実施している制度で、融資限度額は2000万円の小規模事業者向けの融資で、魅力としては保証料の1/2を東京都が負担してくれるという点です。但し、常時使用する従業員の数が20人(卸売・小売・サービス業などは5人)以下の出ないと利用できないなどの制限もあります。

・各市区町村のあっせん融資

→各市区町村のあっせんを受け、金融機関が市区町村の定める条件の範囲内で信用保証協会の保証を得て融資を受ける制度です。(扱っていない市区町村もあります。) 金額としては大きくない場合も多いですが、一部金利や信用保証料を市区町村が補助してくれるため、負担が少なくて済むのが魅力です。

【各融資制度は金融機関担当者へ】

 このような融資制度などの情報は、取引している金融機関の担当者から仕入れましょう。普段から金融機関の担当者と良好な関係であれば、自社に当てはまりそうな融資制度や新しい融資制度も紹介してくれるかもしれません。信用保証協会を活用して自社の資金繰りを安定化させましょう。