運転資金における資金使途の重要性(事務所通信「FinanceNews12月号」より)

竹田・菊地税理士法人 東京事務所の事務所通信の注目記事を抜粋してご案内いたします。
今月は「FinanceNews」より運転資金に関するお話です。

毎日の金融機関の受ける融資の中では運転資金での申込みが圧倒的に多く、企業の日常活動には欠かせない資金といえるでしょう。ところで、この運転資金とは一体どのような意味を持っているのでしょうか。

1. 運転資金の種類
一口に運転資金といっても様々な種類がありますが、大きく分けると経常運転資金と臨時運転資金があります。企業活動を維持していく為に必要な経常運転資金と、季節資金や賞与資金といった臨時運転資金に分けられます。

【 経常運転資金 】
・支払決済資金、買掛金決済
(手形期日に支払手形を決済する為の資金)
・経費支出資金
(給与、諸経費等の支払の為の資金)
・仕入資金
(商品等の仕入資金)
【 臨時運転資金 】
・季節資金
(毎年一定時期(仕込み時期等)に発生する資金)
・賞与資金
(年2回発生する賞与支給の為の資金)
・決算資金
(決算後の利益処分に伴い支出する税金・配当金・役員賞与等の支払資金)

2. 銀行員の見るポイント
上記の運転資金の性格やポイントを踏まえ、金融機関は資金使途の妥当性を判断します。決して社長の話だけで鵜呑みにはしません。

・資金使途の実態把握
仮に賞与資金の場合、社員の社歴・人数・世間相場等を勘案して支給額が妥当かどうかを確認します。
もし過剰ということになると、今回の借入金の資金使途は、賞与だけではないという想定もでてきます。
・返済期間の妥当性
一般に賞与の支給は年2回ですので、6か月後の次の賞与までに返済させないと、借入金が雪ダルマ式に増えてしまいます。このように、運転資金というのは表面的に賞与資金の申込であっても、何故資金が不足したのか、それはどのような営業活動の結果発生したもので、今後どのようになっていくかまでをヒアリングされ、上記の妥当性に副わない場合には減額・0回答の対応を受ける事につながります。

3.銀行員の喜ぶエビデンス
では、正しい資金使途を銀行員に伝えるだけで良いのでしょうか。より申請通り満額決裁を受ける為には、資金使途に応じた根拠資料の提出がポイントとなってきます。
・支払決済資金、買掛金決済
支払手形のサイトを逆算し整合性を説明
・経費支出資金
簡易資金繰り表で支出状況を把握
・仕入資金
売上実績表、仕入実績表
・季節資金
商品の流れや商売の特徴を記す(商流図)
・賞与資金
支給者と平均賞与額の確認できる資料
過去の賞与支払状況
・決算資金
納税資金の納付内容の提示

4.最後に
このように、資金使途に応じたエビデンスを提出し、借入理由や申請金額・返済期間の妥当性を示すことで、審査スピードや回答内容も大きく変わってきます。また、現状の話だけでなく今後はこのように変わる見込み、といった将来の話も加えると理想的な回答になるかと思われます。